Little AngelPretty devil 〜ルイヒル年の差パラレル

     “春眠してもいられない?” 〜別のお話篇?

 

大きいスプーンで欲張って掬ったイチゴのシャーベットみたいな。
まだ交ぜ切れてないジャムのところ
まだらに残してるみたいな かあいい桜の
いっぱいぱい咲いてた三月の末日。
いーすたあのウサギさんの こすぷれをした日はあのね?
割とほかほかした日曜日だったのにね。
なんか四月に入ったら、
なんでだろ急に寒くなったような気がするのね?
こういうのを“さんかんしおん”ってゆうんだよって
桜庭さんがゆったのへ。
それは秋の終わりとか冬場に使う言い回しだぞって
ヒル魔くんが怒ってたっけね。

 『ちなみに“小春日和”も冬の季語だからな。』
 『…そっちは知ってます。』

う〜んと、
セナはまだ ちったいから、よく判らないなぁ、
そうゆう専門用語とかは、うんvv



   ◇◇◇


ちなみに“ちったい”は
小さいというのの舌が回り切らなかった折の言い回しで。
揚げ足取りではなくの本気で、
どういう意味だろうと、あの子悪魔さんが意味を掴みかね、
何とか体とかいう新しい免疫のことかな、
まさかとは思うけど、
いい加減なモバイルゲーム詐欺に引っ掛かってんじゃなかろうな。
この俺様が傍にいながらそんな目に遭わせたとあっちゃあ、
ネットでの立場というか、沽券に関わるんだからなと。
微妙すぎて分かりにくい案じ方をしていたそうでもあったれど。
真相が分かって、何だそりゃと大きくがっくりしてから、

 『…お前、さすがに もう10歳になったんだからサ。』

もうちっと滑舌をよくしないと、先々で下級生に舐められんぞと。
周囲に居合わせた、一応は成年部門に数えられよう世代の大人たちが、
“笑っちゃ悪い”と気を遣ったがため、
窒息寸前なこらえを強制された こちらも微妙なやりとりをしたそうな。


  閑話休題。(それはさておき)


昨日はエイプリルフールで、他愛ない嘘がちらほらと聞こえて来、
ネットのあちこちでも、
やれ、大王イカのテンプラが
おうどん屋さんのサイドメニューに加わったとか、
やれ、ゴリラの鳴き声を翻訳できるようになったとか、
やれ、アニメの中へ飛び込んで、
大好きなキャラとお手々がつなげるようになったとか。
いろんな“なんちゃって”が飛び交ったようで。
アイドルが熱愛発覚とか、ユニット解散とかいうのは、
さすがに“はいはい”なんて いなされてもいたけれど、

 「高校生以下の選抜チームを進が率いて
  Xリーグの覇者と戦うなんて出鱈目ニュースは、
  妖一くんが割り込ませたんだろうね。」

進って誰?という検索アクセスが伸びたことから、
ますますとアメフトへの認識も上がろう結果となった一件でもあるのだが。
“国民総理解”されているような、(何だ その言い回しは)
苦笑
相撲や野球やサッカーほどではないながらも、
ラグビーとは微妙に違うんだという程度の理解つきで、
アメフトもまた普及して来ている今日この頃。
だからこそ、
そんな嘘んこニュースが取り上げられもしたのだ、という順番なのであり、
そして、
そうであることへの功労者の一人が、あの小さな子悪魔様だったりし。

 “末恐ろしい限りだけれどもね。”

全国ネットとはいかないけれど、
その代わり 小回りの利くケーブルテレビの某局が、
学生リーグまで 全試合網羅という勢いで
結構扱ってることをきっちりと把握し。
BSやCSのスポーツ専門局が、
じわんじわんと増えつつあるのも見越した上で。
だったらビジュアルで美味しいネタがありまっせと訴えかけねばと、
…いや そこまで思ったかどうかは定かじゃあないが。
(おいおい)
それは愛らしいルックスを生かし、
主に女性層のギャラリーへ、
いかにもないぶし銀とか、精悍なワイルド系、
爽やかアイドル…以外の枠もこさえて差し上げようと言わんばかり、
愛らしいいで立ちになっての可愛い子ぶりこを振り撒いて、
チアリーダーとは別口の“マスコット”という枠まで確立させ。
割と飽きっぽい女性ファンをいつまでも繋ぎ止めて下さっている
知ってる人は知っている“影の功労者”でもある存在なだけに。
そういう悪戯を“仕掛ける手腕あり”な存在として、
関係者の間では誰の仕業か即座に判るのも大したものだし、

 “なのに、公式方面からお叱りは無しってのもまた凄いよねぇ。”

進や桜庭といった、
現在現役の顔触れが頑張って知名度を上げたそのお陰と、
表向きには流したらしいが、
その苦笑が微妙に引きつってたのが
こちらサイドの皆様には見え見えな事情でもあり。

 『別に怒られても構わなかったけどもな。』

そやって取材があったことで、
大学アメフトの春の色々、
K−WARSとかの宣伝も打てたんだしよと。
そういう言い分を、突きつける気 満々だったらしいことくらいは、
さすがに大人たちにも読めていたというところかと。
そう、大学アメフトの公式戦は秋からだが、
春先にも数々のマッチングは催されており、
まずは四月の半ばから始まる、
Aミノばいたるスタジアムでのリーグ戦へお越しやすという
絶妙な宣伝媒体にと、エイプリルフールを活用する辺り、

 “バレたらバレたで、
  小学生の悪戯で〜すで通すつもりだったとか。”

何とも行き届いていた対処の数々へ、
明けての今日も思い出し笑いが止まらない桜庭の少し先、

 「……。」

黙々と駆け続ける大きな背中の持ち主こそ、
その出鱈目スクープの主役だった
希代の俊足ラインバッカーさん、進清十郎さんであったりし。
桜庭の掛ける声が聞こえていない訳ではなくて、
時折、ちらりと視線を寄越しても来る彼だったし、
何より今の話は、

 『進さん、ネットにもテレビにもお写真が出てたです〜っ』

彼の可愛らしいメル友にして、
王城シルバーナイツのマスコットくんから
ちょみっと興奮気味なお電話が掛かって来たので知ってもおいで。
その直前までは、

 お庭の赤いモクレンの木につぼみがたくさんつきました。
 ちょこっと曲がってて、それもみんな同じ方に曲がってて。
 朝起きて一番に見るとね、
 インコがいっぱい止まってるみたいに見えるんですよぉ?

なんていう、
そりゃあ可愛らしい内容のメールが届いては、
判る人にはそれと判る
ほややんとした仄かな頬笑みに
ゆるみまくっていたお不動さんだったのにね。
そんな平和な春の訪のいを、あっと言う間に激しく震わせ、
毎朝10キロ以上は走るジョギングをウォーミングアップとしていても
実はまだまだ寝ぼけていた彼を、

 『進さん、監督さんになるですか? 凄いですvv』

覚えのない尊敬のエールに、
いやいや違うから、まだ現役だからとのアピールをしたいがため。
とっとと真剣本気モードでゲームに挑まねばと気合いを入れるほど、
こんな取り扱い注意の存在を
あっさりと叩き起こしてしまった事態でもあったのだからして、

 “ほんっとーに、末恐ろしいったら。”

今でこの騒ぎなんだから、
彼自身が現役となるのだろ、数年後の中学アメフトや高校生アメフトは、
何かと大変なんだろなぁと。
ジョギングコースの土手の片側、
練り絹のような濃密な緋白の花の重なりを延々と眺めていられる贅沢を、
だがだが微妙に心穏やかならぬまま見上げておいでの桜庭さん。
その桜が一旦途切れる道の先、
橋の向こうでは 小さな天使さんが“お〜いお〜い“と手を振っていて。
せめてこのご対面で機嫌を直してもらえんものかと、
王城サイドの世話役筆頭、
ちょっとだけ憂鬱な、でも油断も隙もないのが楽しくもあるお立場なの、
こっそりと咬みしめてござった花曇りの朝でした。




     〜Fine〜  13.04.02.


  *エイプリルフールの“うそネタ”ネタでした。(ややこしい)
   ちなみに、
   もーりんは WEB拍手のと某個人サイト様のしか拾えませなんだ。
   大きいサイトさんは入り口からして何かと凝ってるもんだから、
   …ウチのPCちゃんでは容量が重いトコへは入れないのよねぇ。

   こんなおっかない子悪魔さんを無自覚で振り回せる
   天下無敵の天然さんが セナくんだ…と来て、
   とんだ三すくみ、若しくは“ネズミの嫁入り”状態かも知れません。
   あんな小さい坊やの周辺にいやに大人たちが寄り集まっているのは、
   以前だったら、お父上が不在なので、
   不測の事態が起きたら庇おう守ろうという人達だったのだけれども。
   今や、その坊やが何か予想外なことをしでかしても、
   途轍もない事態へ発展しないよう、ガードし、取り押さえるという、
   逆向きの防壁になりつつあるんじゃあ…としか思えない
   桜庭くんだったりするのかも。(怖)

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